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榎木孝明

2026年10月1日 乱読術

昔から本を読んだり、文章を書いたりするのが好きだ。その読書法はかなり変わり種と言われそうだが、今月はあえてそれを書いてみようと思う。

大体いつも読んでいる本は並行して10冊ぐらい。と言うとかなりな読書家のように思われそうだが、一冊をひと月もふた月もかかったりするから、たいした量ではない。自分の飽き性な性格上、一冊の本を集中して読み終えることがなかなか出来ない。だから、10冊ほどの違う種類の本を並行して読むことになる。

一見すると、話がこんがらがってしまい、分からなくなってしまうのではと思われるかもしれない。ところが私はそれを逆手にとって、記憶力の減退を防ぐ方法でもあると思っている。その10冊は、ほぼジャンルの違う本である。小説、エッセイ、時代小説、歴史解説書、月刊誌、SF、科学雑誌、自伝、都市伝説、武術雑誌などで、話がこんがらがる事はまずない。

毎日数ページずつ読んで、飽きたら別の一冊を手に取るわけだが、ジャンルが違うので読み継ぐために記憶をたどらなければならない。その思い出す行為が、“脳を活性化する瞬間”であると信じ込むことにしている。

また、役者の仕事と共通する処があるとすれば、気持ちの切れ替えの速さであろう。役の性格は仕事の度に変わるので、次々に気持ちも切り替えねばならない。飽き性の私としては、一つにじっくり時間を掛けるのが苦手ゆえに、読書の仕方も自ずと乱読になったのかと思う。しかし、飽き性の私の結婚生活が30年も続いていると言う事は、フラフラした飽き性の自分が帰れる場所があればこそかと、密かに感謝をしている昨今である。

榎木孝明

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