榎木孝明の近況や日々感じた事柄を文章にして、毎月更新しています。
榎木孝明
2026年2月1日 自炊生活の日々
この正月明けから単身でロケ地へ来ている。ひと月、ふた月の経験はあるが、これほど長く日本を離れての仕事は初めてだ。食事は、久しぶりの自炊生活をしている。高校を卒業して東京へ出て来た頃の自炊生活を懐かしく思い出す。
美大を目指すも、なかなかの狭き門で2年間の浪人生活を余儀なくされた。当時仕送りはしてもらっていたものの、さほどの余裕はなく結構質素な生活をしていた。食費代を少しでも浮かそうと考えて、1人分も数人分も手間は同じかと、同じアパートの浪人仲間の食事係を買って出た。食材の買い出しに行き、1食200円ずつもらって私が作ることになった。ご飯と味噌汁以外に毎食二品は作ると言う約束だった。
料理の経験はなかったが、母親が送ってくれた料理本を参考に、日々工夫して作ったものだった。鰹節と削り器も田舎から送ってもらい出汁から取り、味もまあまあの物が出来ていたと思う。1年もしたら、その料理本が水に膨れて分厚くなっていた。そんな昔を思い出しつつ、久しぶりの自炊生活を楽しんでいる。
こちらに来てからと言うもの、日本での生活とはまるで違う時間の過ごし方である。これまでの自分を振り返るのに良い時間であり、これからの自分を見据えていくのにも良い時間であると、ありがたい日々を過ごしている。
榎木孝明